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  • 2024.07.04
  • スポーツサイエンスを活かした仕事内容とは?職種別に事例紹介

スポーツサイエンス(スポーツ科学)は実践的な学問であり、さまざまな職種で活かすことができます。また、スポーツサイエンスでキャリアアップを目指す人も増えています。今回は、スポーツサイエンスに関わる職種を紹介します。

みなさんは「スポーツサイエンスを活かした仕事」と聞いて、どのようなものをイメージするでしょうか。多くの人がイメージする代表的な仕事は、スポーツアナライザー・アナリストかもしれません。

しかし実は、スポーツサイエンス(スポーツ科学)と深い関係がある仕事は他にも数多くあります。たとえば、自らの専門領域にスポーツサイエンスを積極的に取り入れることで、より大きな成果やサービスレベルの向上が期待できる職種もあります。今回はそのような職種を事例とともに紹介していきます。

スポーツサイエンスとは

スポーツサイエンスとは、運動と身体の関係を科学的な視点から分析・解明し、身体のコンディションを整えたり、効果的なトレーニングの実践に役立てたりする科学です。端的にいうと、「理想とする身体のパフォーマンスを実現するために何をするべきか」を追求する実践学問です。昔は身体能力の向上が中心的テーマでしたが、栄養学・メンタルなど、対象とする領域は広がり続けています。

スポーツサイエンスと関係が深い職種

スポーツサイエンスは幅広い職種に関係しています。エイジェック グループには多くの専門家が在籍していますが、その中でも、とくにスポーツサイエンスと関係が深い職種と仕事内容を紹介します。

スポーツコーチ

多くの人にとってスポーツコーチは身近な職種です。しかし、スポーツコーチとスポーツトレーナーの違いを説明できる人は少ないなど、意外にもスポーツコーチの定義はあいまいです。スポーツコーチとは、選手の目標達成をサポートする職種で、具体的には戦術検討、トレーニング計画の策定、技術指導などを行います。野球の「打撃コーチ」「走塁コーチ」「投手コーチ」のように、ポジション・専門領域ごとに特化することもあります。元選手が就くケースが多いですが、スポーツサイエンスの体系的な知識が不足することもあり、自ら勉強したり、専門のスポーツトレーナーと連携したりしながら選手をサポートします。選手をサポートするうえで、関係者を取りまとめる司令塔の役割を担うことも多い職種です。

スポーツトレーナー

スポーツトレーナーとは、選手がもつ能力を最大限発揮するためのサポートをする職種です。トレーニング指導による選手の身体的能力の向上や、ケガの予防、体調管理、メンタル管理、栄養管理などを行います。対象とする領域が広いため、最近は「フィジカルトレーナー」や「メンタルトレーナー」といった機能別に細分化されています。

人間の身体構造とトレーニングの関係性について深い知見と経験が必要であり、近年スポーツサイエンスの導入が著しい職種です。昔は精神論が大きかったトレーニングですが、スポーツトレーナーがスポーツサイエンスを取り入れるようになったことで、合理化と効率化が進みました。アスリートとして活躍できる年齢が押し上げられたり、各種競技で新記録が生まれ続けたりしている背景には、スポーツトレーナーの活躍があります。

スポーツインストラクター

スポーツインストラクターとは、比較的競技経験が浅い人に対して、正しいスポーツのやり方や知識を伝える役割を担う職種です。スポーツコーチやトレーナーが「試合で勝つ」「ベンチプレスで100kgを持ち上げる」などの目標があるアスリートや愛好家を対象にしていることが多いのに対して、スポーツインストラクターの場合は、初心者やフィットネス・エクササイズの利用者を対象とすることが多いです。重負荷のスポーツを頻繁にやらない人を対象にすることが多いため、ケガをするリスクを抑えたトレーニングプログラムの考案、長く続けられるようなレクリエーション要素の取り入れなどを行います。

たとえば、ダンススクールや水泳スクールなど、利用者と一緒に身体を動かしながら、スポーツの大切さ・面白さを伝える役割を担っています。一般市民とスポーツの架け橋になる職種であることから、アスリート向け用の領域だったスポーツサイエンスを、一般市民の領域へ広げた立役者ともいえるでしょう。

スポーツアナライザー・アナリスト

スポーツアナライザー・アナリスト とは、選手や競技のデータ分析を担う仕事です。彼らの業務目的は、監督やトレーナー、そして選手が、正しく迅速に意思決定ができるようになることです。好成績を高い確率で収めるために、データサイエンスを駆使して、選手自身や競争相手、チームの状況を分析・シミュレーションします。

たとえば野球選手の場合、スポーツアナライザー・アナリストが投球フォームや球速、スイングスピードや打球スピードなどを測定します。その後、日々のトレーニングが、投球や打撃のパフォーマンスにどの程度反映されたのか評価します。そうすることで、目標とするパフォーマンスの達成に向けたトレーニング計画を立てやすくなります。近年はデータ解析技術の発達が著しく、投球の回転数や角度なども数値化できるようになるなど、分析できる幅が広がっています。

コーチやトレーナーが兼務できる部分もありますが、統計学を用いた分析まで踏み込む場合は、スポーツアナライザー・アナリストが必要になってくるでしょう。近年はAI技術を活用するケースも増えています。

教員

ここでいう教員とは「保健体育」や「部活」を指導する役割がある方々を指します。教員は成長期の学生の身体能力を構築するうえで大きな影響力をもっており、指導内容によっては人生を通した身体能力を決定づける可能性があります。だからこそ、スポーツサイエンスの知見が必要とされているのです。

ひと昔前までは、スポーツサイエンスに基づかない指導が当たり前のように行われることもありましたが、近年はスポーツサイエンスの知見が教育現場に取り入れられるケースも増え、より合理的な指導が可能になりつつあります。しかし、教員がスポーツサイエンスを体系的に学べる機会は限られているのが現状です。学校側がスポーツサイエンスの専門家を招いて、教員と連携して授業や部活のカリキュラムを策定するケースが増えています。

管理栄養士

管理栄養士とは、その名の通り栄養指導と管理を行う国家資格です。管理栄養士は健康的な人の栄養指導だけでなく、病人・ケガ人を対象として、治療や生活習慣病予防のための指導など、保健・医療側面の指導も行える職種です。

スポーツ分野では、「スポーツ栄養士」という専門領域の資格もあります。アスリートの食環境を整えたり、アスリートに栄養・食事に関する教育を行って自己管理能力を高める指導をしたりします。

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在した野口聡一宇宙飛行士には、専門の管理栄養士がついていました。宇宙空間では消費するエネルギー量と摂取する栄養のバランスが日常生活と大きく異なるなるため、スポーツサイエンスを駆使して体力の維持や身体のパフォーマンス低下を防止したそうです。このように管理栄養士がスポーツサイエンスを取り入れることで、スポーツ特有の環境に応じた栄養管理ができるようになるのです。

理学療法士

理学療法士とは、ケガや病気で身体に障害をもつ人に対して、歩く・立つ・座る・持つ、といった基本動作の回復をサポートする職種です。アスリートの場合は基本動作だけでなく、精密で激しい動作の回復をサポートし、さらには、復帰後のサポート、ケガの予防なども担当します。トップアスリートの場合は、理学療法士がトレーニングキャンプや試合に同行し、身体の疲労回復や故障リスクのケアを担うこともあります。

スポーツサイエンスを取り入れることにより、治療やケガをしにくい身体づくりの指導をより効果的にできるようになります。あるプロサッカーチームの理学療法士は、データアナリストと連携して、トレーニングのサポートをしています。選手の体組成データから算出した「耐えられる負荷量」と、日々の練習量や運動量から算出した「選手に蓄積されている負荷量」を比較して、トレーニング計画の適切性を評価しているそうです。

柔道整復師

柔道整復師とは、骨折・脱臼・捻挫、打撲・挫傷といった、筋肉や骨の損傷に対して治療を施す職種です。たとえば、接骨院や整骨院などには必ず柔道整復師がいます。理学療法士と混同されることがありますが、理学療法士と柔道整復師には対象とする治療の領域に違いがあります。

柔道整復師は、先に紹介した症状に対する「応急的治療」が多いとされています。一方で理学療法士は、ケガや病気で損なわれた身体機能の回復など「長期的治療」が多いとされており、柔道整復師が理学療法士の資格をもち、両方を担当するケースも見受けられます。

メーカー開発職

近年のスポーツサイエンスの発展により、プロアスリートを支援するデジタルツールや、トレーニング機器の開発が進んでいます。とくにAI技術の発達により、新しいサービス領域も生まれています。スポーツサイエンスのけん引役としてスポットライトを浴びることが多いのは、ここまで紹介した職種の方々です。しかし、彼らの業務を支えているのは、メーカーが提供する商品やサービスといえるでしょう。メーカー開発職の方々が、スポーツサイエンスに即した商品・サービスを改良・開発することで、スポーツに関わる方々の仕事の正確性や迅速性がさらに高まるのです。

まとめ

スポーツサイエンスは人の身体を深く理解することを通して、パフォーマンスを高める科学であり、非常に身近な学問でもあります。人の身体に関わる職種の人や、それを志す人は、スポーツサイエンスを取り入れることで、仕事の幅が広がったり専門性をさらに高めたりすることにつながるでしょう。

エイジェックグループでは、スポーツサイエンスを専門とするさまざまな人材が活躍しています。プロスポーツチームだけでなく、スポーツに力を入れている教育機関、企業、自治体、病院などの幅広い方々に向けて、人材・体力解析・教育・食育・コンサルティングサービスなどを提供しています。気になる方は、ぜひスポーツサイエンス事業を展開するエイジェックグループにお問い合わせください。

【 エイジェック スポーツサイエンス 】

「スポーツサイエンスを駆使した効率的なステップアップを」をコンセプトに、アスリートの競技力向上のために必要な「身体」「食事」「データ」に関するサービスを提供しています。

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