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  • 2024.07.04
  • アスリートだけじゃない!日常生活を豊かにするスポーツサイエンスの重要性

スポーツサイエンス(スポーツ科学)は、プロアスリートだけでなく私たちの日常生活にも活用できる実践的な学問です。日常生活との関係や、スポーツサイエンスを取り入れるメリットを紹介します。

スポーツサイエンス(スポーツ科学)は、スポーツの発展とともに研究が進められてきました。今ではアスリートだけでなく、私たちの日常生活でも実践できる学問として、注目が集まっています。健康的な体づくりの方法や、合理的なトレーニング方法を教えてくれるだけでなく、日常生活における体のパフォーマンス向上や、病気・怪我の予防、健康寿命への寄与など、大きなメリットが得られます。今回は日常生活にスポットをあてて、スポーツサイエンスのメリットと導入事例を紹介します。

スポーツサイエンスとは

スポーツサイエンスは、プロアスリートだけでなく、学校の部活や保健体育、医療機関、企業の福利厚生、国や自治体の行政政策などに幅広く取り入れられており、いまやトップアスリートだけの学問ではなくなっています。ここではスポーツサイエンスが具体的にどういうものなのかを解説します。

スポーツサイエンスの定義

スポーツサイエンスとは、運動と体の関係を科学的な視点から分析・解明し、体のコンディションを整えたり、効果的なトレーニングに役立てたりするための学問です。最小限のトレーニングで、理想とするパフォーマンスを発揮できるようにするために、具体的に何をするべきかを問う、実践的な科学なのです。

「体のパフォーマンス」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、「早く疲れを取りたい」「疲れにくい体にしたい」「怪我をしたくない」といった思いは、いずれも体のパフォーマンスに関するものになります。これはトップアスリートも、一般の方も同じことであり、スポーツサイエンスは日常生活にも関わりが深いものなのです。

スポーツサイエンスがカバーする領域

スポーツサイエンスがカバーする領域は、競技スポーツの発展とともに広がっていきました。昔は体のトレーニングに関する領域が中心でしたが、体組成やメンタルコントロールなどが体のパフォーマンスに大きく影響することが明らかになるにつれて、周辺領域として研究が進められ、個別の学問に派生・発展していったのです。

たとえば、身体能力の強化や怪我の予防・治療を目的とする「スポーツ医学」、食事面から機能的な体づくりを目指す「スポーツ栄養学」、精神的な健全性からパフォーマンス向上を目指す「スポーツ心理学」などがあります。 いずれも、私たちの日常生活に関係する知見が含まれています。

日常生活にスポーツサイエンスを取り入れるメリット

スポーツサイエンスの特徴は、体のパフォーマンス向上のために、科学的な情報にもとづいた行動の選択を重視している点です。スポーツサイエンスで得られる科学的な視点を日常生活に取り入れることで、普段は「なんとなく」選んでいる行動を、合理的なものに変えたり、選択の幅を広げたりできます。そうすることで、体のパフォーマンスにも変化が出てくるでしょう。ここでは、スポーツサイエンスのメリットを、日常生活にからめながら紹介していきます。

病気にかかるリスクを下げられる

スポーツサイエンスを取り入れることで、適度なストレス発散ができるようになり、免疫力の向上が期待できます。免疫力はストレスに弱いとされており、ストレスが大きい生活をしている人は免疫力が落ち、感染症などの病気にかかりやすくなるといわれています。

「運動すればストレス解消できる」と考えている方も多いですが、実は過度な運動はストレスを高めることになり、自己免疫力の観点からはネガティブに働く可能性もあるのです。スポーツサイエンスを取り入れることで、ストレス解消に効果的な運動量を選べるようになります。

無理のなく続けられる運動を習慣化できる

よく運動不足に悩む方が「運動をしなければ」と思い立ち、急に激しい運動をすることがあります。しかし「翌日に疲れが残る」「辛くて楽しめない」などの理由で継続できないことが多いです。こういったネガティブな面を大きく感じる場合、今の体のコンディションに合わない運動をしているかもしれません。

過度な運動は身体面だけでなく、精神的なストレスが大きくなります。過度な運動により疲労が蓄積することで、疲れが取れにくくなったり、ケガをしやすくなったりするなど、リスクを抱えることになってしまうのです。スポーツサイエンスを取り入れることで、自分の現状を正しく把握し、目標とするパフォーマンスに向けて、無理なく効果的な運動を選べるようになります。

質の高い睡眠ができる

適度な運動は、良質な睡眠につながります。「なかなか寝られない」「眠りが浅くて疲れが取れた気がしない」という方は、スポーツサイエンスを取り入れることで改善できるかもしれません。なぜなら、スポーツサイエンスとともに睡眠に関する科学も発展してきたからです。アスリートにとって睡眠は、疲労回復の手段というだけでなく、必要な時に最高潮のパフォーマンスを発揮するために計画的に取るべきものとなっています。この知見は日常生活でも十分活用できるものです。

疲れにくい体をつくれる

「体が疲れやすい」という方は、必要な筋肉量が足りていないのかもしれません。スポーツサイエンスを活用することで、ライフスタイルに合わせて必要な筋肉を付け、疲れにくい体づくりができるようになります。

アスリートと一般の方では筋肉の部位ごとに求められる機能が違います。たとえばアスリートの場合、広い可動域で瞬発的な動きや、同様の動きを長く継続する点が重視されます。オフィスワーカーの場合では、座っている時間が多く同じ姿勢を維持し続けるためのインナーマッスルが重要です。リハビリテーションの仕事をされている方の場合は、重いものを繰り返し持ち上げたり支えたりする筋肉が必要になります。

健康寿命の延伸に寄与する

人生100年時代といわれる中で、健康寿命はますます重要になっています。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる年齢のことです。日常生活にスポーツサイエンスを取り入れることで、健康寿命の延伸に寄与します。

スポーツサイエンスの導入事例

すでにスポーツサイエンスは、自治体、企業、部活動、スポーツクラブといった一般の方にまで浸透しています。ここでは、どのようにスポーツサイエンスが活用されているのか紹介します。

自治体:市民の健康増進やヘルスケア産業の育成

自治体にとって、地域産業の育成や地域経済の活性化は非常に重要なテーマで、スポーツサイエンスにこれを期待する自治体が増えています。たとえば、プロアスリートチームの拠点が置かれている自治体では、法人住民税や法人事業税の税収 、練習・キャンプ・試合の際にも経済効果が生まれます。それだけでなく、プロアスリートチームを中心としたスポーツ産業の育成による雇用創出などの経済効果が期待されているのです。スポーツサイエンスを市民・企業・金融機関が理解することで、アスリートが必要とするサービスに気付き、事業投資を促し、雇用創出を目指す動きが出ています。

また経済効果だけでなく、市民の健康増進のためにも有効で、スポーツサイエンスにもとづく正しい健康知識の啓発を進め、中長期的な医療費の削減などに取り組んでいます。

企業;社員向け福利厚生

社員が長く健康的に働けるよう、スポーツサイエンスの観点を取り入れている企業が増えています。企業の中には、身体能力測定を定期的に行って身体能力を可視化する機会を提供しているところがあります。身体能力の維持・向上を通して、体のパフォーマンス低下が要因で起き得る労働災害を、間接的に予防しようとしているのです。またスマホアプリを配布して、毎日の運動を楽しく管理できるような仕組みを提供している企業もあります。社員が健康的に長く働けるようにすることで、労働生産性の向上や、体調不良による離職リスクを低減する狙いもあります。

部活動・スポーツクラブ

部活やスポーツクラブでも、スポーツサイエンスの導入が始まっています。試合などで好成績を収めるためだけはなく、早い段階から合理的な方法で体づくりをすることで、体の基礎的な機能向上や潜在能力の発揮を目指しているのです。

近年は子どものスポーツについて、試合の成績よりも合理的な体づくりに重点を置く流れも出てきています。たとえば全日本柔道連盟は、小学生の柔道大会を2022年に廃止しました。これは過度な競争主義が、スポーツサイエンスを無視した過度なトレーニングにつながりやすく、身体能力の発展途上である子どもに対して悪影響を及ぼす可能性を考慮したからです。スポーツサイエンスに基づいたトレーニングの方法論は、今後も教育現場に浸透していくと考えられます。

エイジェックグループのスポーツサイエンス

エイジェックグループは、日常生活に生かせる幅広い領域のスポーツサイエンス事業を展開しています。ここではその一部を簡単に紹介します。

小中・高校でのスポーツ指導

エイジェックグループでは、部活動・スポーツクラブの児童を対象に「ベースボールアカデミー」「チアダンスアカデミー」「Coco Judo Academy」などを運営しており、スポーツサイエンスの専門知識をもったスタッフによるコーチングを提供しています。たとえば高校野球部で、体組成・栄養講習・スイング/打球スピード・塁間スプリント測定・投球測定・投手球質測定といった、選手のパフォーマンスをデータ化し、スポーツアナライザーとしての知見からトレーニングを支援しています。他にも管理栄養士による食育講座なども開催しています。

スポーツサイエンスのジムを運営

「スポーツは科学だ。」をコンセプトに、民間屈指のスポーツ科学センター「アローズラボ&アローズジム」を運営しています。児童・学生・社会人・実業団・プロチームなど利用者は幅広く、一般の方を中心に日常生活や練習活動の一部として利用されています。「視力・筋力・持久力・瞬発力・跳躍力」の5大基礎体力の測定や、利用者の目標に応じた科学的なトレーニングプログラムを提供しています。

自治体と連携したスポーツ振興

2023年、エイジェックグループは栃木県と「栃木県と株式会社エイジェックグループとのスポーツ振興等に関する協定書」を締結しました。これまでエイジェックグループは、自ら運営するプロ野球リーグや、地域の硬式野球部の子どもたちに向けた野球教室の開催、保育園での運動指導、スポーツ大会の企画運営など、一般の方の基礎的運動能力向上のための草の根的な取り組みを続けてきました。これが評価され、栃木県と共同で市民のスポーツ振興に取り組むことになりました。また、スポーツ事業による地域活性化も期待されています。

まとめ

スポーツサイエンスというと難しい印象をもつかもしれませんが、実は身近で実践的な学問です。現代では昔に比べて運動する機会が限られ、同じ動作をし続ける環境が多く見られます。そのため、これまで以上に限られた時間で効果的な体づくりをする必要があるはずです。スポーツサイエンス的視点を日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

【 エイジェック スポーツサイエンス 】

「スポーツサイエンスを駆使した効率的なステップアップを」をコンセプトに、アスリートの競技力向上のために必要な「身体」「食事」「データ」に関するサービスを提供しています。

【 アローズラボ&ジム 】

最先端スポーツ科学による検査・分析・評価を行うスポーツ版人間ドック検診施設【アローズラボ】と、子供のための科学トレーニング塾【アローズジム】を全国へ展開中!

【 スポーツ科学総合センター 】

スポーツ医学・科学を基にアスリート、子供からご高齢の方が必要とする体力解析や動作解析、食育栄養、トレーニング、治療メンテナンスに至るまで最新機器・機材を活用し様々な側面からサポートを提供できる複合施設です。